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耐震構法SE構法について
登録施工店の皆様
解説
2023.03.30

耐震構法SE構法

耐震性能と自由な空間を両立

株式会社エヌ・シー・エヌ(NCN)の提供する、耐震構法SE構法。それは、強度が高く品質の安定した構造用集成材を柱と梁に用い、専用のSE金物で剛接合した、ラーメン構造による建築物の総称です。強靭な耐震性を保ちながら、柱や壁の少ない、自由なプランを実現していただけます。

全棟構造計算、だから安心

耐震構法SE 構法は、木造で構造計算を可能とした画期的構法です。工務店の皆様の意匠設計を、NCNがCAD・CAM と連動する構造計算ソフトに入力して、1棟1棟、鉄骨造やRC造と同じ手法で強度を計算。地震や台風といった災害に負けない家の強さを、お施主様に証明することができます。

登録施工店制度による設計・施工

耐震構法SE構法を扱えるのは、選ばれた工務店である「登録施工店」です。NCNは登録施工店様の意匠設計を構造設計の面からサポートする他、部材供給からプレカット、施工までの建築生産プロセスを確実に管理。工務店の皆様と二人三脚で、お施主様のご要望に応える建物を着実に実現していきます。

 

‖建築の生産プロセスをトータルに管理


耐震構法SE構法の真価は、構造設計プロセス(構造システムと構造設計の品質)と供給プロセス(部材品質と加工品質)、さらに施工プロセス(施工品質と検査体制)までの重要な建築生産プロセスを、IT 技術を駆使して確実に管理していることにあります。
構法はもとより、専用のCAD/CAM・旧大臣認定を取得していた専用構造計算プログラム・指定工場制度・指定材料制度・登録施工店制度・SE 構法施工管理技士制度・SE 構法登録建築士制度などの独自の生産管理システムを伴っていることにより、耐震構法SE構法の品質の確かさが完成されます。
耐震構法SE構法は、これらのシステムの総体によって、財団法人日本建築センターの構造評定を取得しています。

 

‖耐震構法SE構法のルーツ


ルーツの1つは、大規模木造建築「エムウェーブ」

日本における大規模木造の代表的な建築物の一つが、1998年に長野市で開催された冬季オリンピックのスピードスケート会場に使われた「エムウェーブ」(1996年竣工)です。外観はドーム的なイメージから脱却した、連峰を思わせる吊り屋根が連続するユニークな形態。内部は木の文化を表現したカラマツの連子格子の曲線が重なりあう、ダイナミックで温もりのある空間。この建物の70mにもわたる屋根部分には、構造用集成材が使用されました。構造設計を担ったのは、構造家の故・播繁氏でした。

阪神淡路大震災と、構造家 播繁氏の理念

播氏は長年鹿島建設に勤務し、建築家の丹下健三氏との協働で赤坂プリンスホテル新館、フジテレビ本社ビルなど、大規模建築の構造設計を手掛けた構造家です。1997年の独立後は埼玉県立武道館等の公共施設のほか、「耐震構法SE構法」の開発など、木造の耐震化にも取り組みました。
その耐震構法SE構法が生まれた重要な契機のひとつが、阪神淡路大震災でした。耐震構法SE構法は「大地震でも絶対に壊れない木造建築を日本中に広めたい」という、播氏の理念のもとに開発されたのです。そこには、大規模木造建築「エムウェーブ」で培われた、高度な技術的達成がフィードバックされていました。

「工学的に安全な構法」の誕生と実績

耐震構法SE構法はこのように、大規模な木造建築物の技術を住宅に応用するために開発された技術です。ですから、「勘」と「経験」をベースとしている一般の在来木造工法とは、構造に対する考え方が大きく異なります。SEはSafety Engineering(Engineering for Safety)の略で、「工学的に安全な構法」という意味。科学的な数値を裏付けとして開発された、最先端の構造技術なのです。こうして誕生した耐震構法SE構法は阪神淡路大震災から2年後の1997年、建築基準法第38条建設大臣認定を取得しました。
その後、日本で発生した「中越地震」(2004年)や「東日本大震災」(2011年)「熊本地震」(2016年)において、耐震構法SE構法で建てられた住宅は1棟も倒壊せず、累計で約28,800棟(2023年3月までの実績)が建てられた20XX年現在に至るまで、構造躯体にまつわる1件の事故も起こっていません。