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耐震構法SE構法について
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解説
2023.03.28

システム化された、木造ラーメン構造

柱や梁を互いに剛接合することで強固な躯体をつくり上げるラーメン構造は、信頼性が極めて高く、近代構法において主役ともいうべき役割を果たしてきました。耐震構法SE構法は、性能が明らかな接合部(SE金物)や、安定した品質の部材(集成材)を用いることで、木造建築において構造計算から性能保証までを実現した、いわば「システム化された木造ラーメン構造」ということができます。

 

‖ラーメン構造のメリット



「ピン接合」と「剛接合」
一般的な在来木造工法では、柱と梁をつなぐ接合部は「ただつながっているだけ」です。これを「ピン接合」と呼び、地震のような横揺れに対しては簡単に倒壊することが知られています。ですから在来木造工法においては、「筋交い」と呼ばれる、いわばつっかえ棒が構造上必要となります。地震に強い家にするには、その筋交いをバランスよく、数多く配置しなければなりません。そうすると、家の至る所に柱や壁が必要となり、開放的な空間は実現困難です。「地震に強い家」=「閉鎖的な空間の家」となってしまうわけです。
一方、重量鉄骨造に代表されるような、「ラーメン構造」では、「柱」と「梁」が、ガッチリと強固に接合されます。筋交い以外の構造躯体で耐震性を高められるので、家の中に柱や壁が少なくても地震に強い家となります。耐震構法SE構法では、この強みを生かして、木造住宅でも自由度の高い、「地震に強い家」=「開放的な空間の家」を実現しています。

 

ラーメン構造とリノベーション
家を建てた当初は広々とした空間が必要なくても、将来的な間取りの変更やリノベーションを想定した場合にはラーメン構造が最適です。同じことをピン構造で実現しようとすると、耐震性を上げるために仕切り壁を耐力壁としている場合があるため、後々壁を壊すことができません。壁が自由に壊せないので、リノベーションしづらい家となってしまいます。一方、ラーメン構造を採用して耐力壁に頼らない住宅にすれば、将来的な間取りの自由度は大きく向上します。SE構法による住宅は、スケルトン(骨組み)がしっかりしているためにインフィル(間取り)の変更が容易になり、結果として、住まい手のライフスタイルの変化にも対応する、長く住める住宅を建てることができるのです。